はじめに
Linuxをデスクトップの作業で使用する際、多くの方がデスクトップ環境を導入されていると思います。GNOME、KDEを中心として様々なデスクトップ環境があり、ユーザーは自由に選択することができます。今年はじめの記事ですが、各デスクトップ環境の特徴について、日本語の翻訳状況も含めて、あわしろいくや氏が
まとめておられます。
私は2013年6月に初めてManjaro Linuxをインストールした時以来、一貫してXfceを使用し続けていました。現在、Xfceについては特に不満はありません。しかし、あわしろ氏の記事にもあるように、GTK+2ベースのXfceについて、先があるかどうかは、若干不安なところがありますし、2年使用していると、少し飽きてきたところがありました。
LXQtについては、もともとはLXDEの後継としてQt5で開発されはじめました。昨年10月に0.8.0がリリースされ、私も簡単にブログに
書きました。当時はAURにgitバージョンしかなかったのですが、Manjaro コミュニティの有志により、独自リポジトリが建てられ、コミュニケーション版の開発が始まった頃です。その後、LXQtパッケージがManjaro公式リポジトリに入り、コミュニティ版も配布されるようになりました。
そういうわけで、Manjaro Linux LXQt-0.8.13 日本語版を出したついでに、私のPCもこれでクリーンインストールして、LXQtの環境構築を実際にやってみながら有用(かもしれない)情報を時間があるときに書いてみたいと思います。
Manjaro Linux LXQtの入手
LXQtのサイトによると、Ubuntu、Fedoraをはじめ、各ディストリビューションでパッケージが配布されているみたいです。Manjaro Linuxも公式リポジトリからパッケージを配布しているほか、インストール用イメージとして
コミュニティ版がリリースされています。
今回は(手前味噌で申し訳ないのですが)日本語版(
OSDN、
rago1975.net)をクリーンインストールしました。
インストール方法は、OSDNのリリースノートに書いてあるとおりで、10分ぐらいで終わりました。デスクトップの画面はこんな感じです。
LXQtはXfceよりもリソースの使用量は大きいみたいですが、体感上は、アプリケーションの起動などはXfceと比較して結構早く感じます。
アプリケーションの外観の設定
Manjaro LXQt インストール直後は、GTK+アプリケーションはごく少数(Gparted、Leafpad)しかプリインストールされていません。しかし、Firefoxはともかく、Sylpheed、Libreoffice、MikutterあたりはQtベースの代替がないので、結局インストールすることになります。その際、問題になるのがアプリケーションの外観が、GTK+、Qtでバラバラになることです。さらにQtでもQt4とQt5では個々に外観を設定する必要があります。
また、LXQtの場合、ウィンドウマネージャとしてOpenboxがよく使用されています。ウィンドウの枠や境界線の色や、フォントについてはOpenboxを設定することになります。
LXQt全体およびQt5ウィジェット
- GUIによる設定アプリケーション: lxqt-config-appearance
- 設定ファイル: ~/.config/lxqt/lxqt.conf
Qt4 ウィジェット
- GUIによる設定アプリケーション: qtconfig-qt4 (qtchooserパッケージが必要)
- 設定ファイル: ~/.config/Trolltech.conf
- ユーザー設定ファイル(例えば~/.xprofile)に以下の文を追加する。(参照)
export QTCHOOSER_RUNTOOL=qtconfig
export QT_SELECT=4
GTK+2 ウィジェット
- GUIによる設定アプリケーション: lxappearance
- 設定ファイル: ~/.gtkrc-2.0
openbox
- GUIによる設定アプリケーション: obconf
- 設定ファイル: ~/.config/openbox/rc.xml
デスクトップ・壁紙(デスクトップ上で右クリックで設定ウィンドウが開く)
- 設定ファイル: ~/.config/pcmanfm-qt/lxqt/setting.conf
LXQt全体およびQt5、Qt4についてそれぞれウィジェットのスタイルを「GTK+」(
QGtkStyle)に設定すれば、外観はGTK+のほうに統一されます。
アプリケーションメニューの編集
上述したlxappearanceなどは、デフォルトでは、Lxqtのアプリケーションメニューには出てきません。それは、/usr/share/applications/lxapperance.desktop というファイル内に
NotShowIn=GNOME;KDE;XFCE;
という行が入っているからです(LXQtはKDEと判定されるみたいです)。この行を削除したものを~/.local/share/applications/ ディレクトリに保存し、一度ログアウトしてXを再起動させれば、メニューに現れます。(ついでにファイル内のName の行を編集して、好きな名前に変更することもできます。)
LXQtの翻訳について
LXDEでは、
Pootleサーバーを使って翻訳が行われており、LXQtについてもそこで翻訳がされている、、と思っていたのですが、最近の変更はPootleには反映されていない模様です。直接Githubにコミットしたほうがいいと思います。
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