公式リポジトリとArch User Repository (AUR)
Manjaro Linuxをインストールしたら、環境を構築するために、様々なソフトウェアをインストールする必要があると思います。Linuxの場合、大抵はディストリビューションが用意したリポジトリからソフトウェアのパッケージを入手します。ManjaroはArch Linuxをベースとしていますが、Arch Linuxの特長としてリポジトリの構成が極めてシンプルであることが挙げられます。Manjaroも同様です。某ディストリのように「あるソフトウェアをインストールするために新たにリポジトリを追加する」という場面は、通常無いと思います。
Manjaroには公式のリポジトリがあり、また、Arch User Repository (AUR)を使用することができます。基本的なソフトウェアは公式リポジトリで取得します。その他のLinux向けに制作されたソフトウェアの大半はAURを通して入手することができます。例えば、JD (2ちゃんねるブラウザ)やmikutter (twitterクライアント)のような、おそらく日本でしか使われないソフトウェアもAURに登録されています。
公式リポジトリからのソフトウェアの入手・更新はpacman コマンドを使用します。pacmanの使い方については、
こちらを参考にしてください。AURにあるソフトウェアのインストール。更新はyaourtコマンドを使用します。yaourtの使用方法は、pacmanと似たような感じです。AURについての詳細な説明は
こちら(Archwiki)、yaourtの説明は
こちら(Archwiki)を参考にしてください。
基本的に公式リポジトリのデータはバイナリですが、AURに登録されているソフトウェアの多くがソースベースで、yaourtのコマンド使用の際に、自動的にビルドされます。
pamacというソフトウェア(OSインストール時に含まれている)を使用すれば、AURを含めた全てのソフトウェア・パッケージのインストール及び更新を行うことができます。pamacについてはいずれ書きたいと思います。
私個人的には、yaourt-gui(下の画像)を重宝しています。これはxterm上で動くスクリプトなのですが、バージョン番号の確認などが簡単に行うことができます。yaourt-guiはAURにあるプログラムなのでyaourtコマンドで入手します。
日本語の設定
Manjaroは欧州発のディストリビューションなので、インストールされた状態では日本語の入力ができません。また、適切なフォントがインストールされていないため、多くのソフトウェアで、メニューの文字が化ける等の問題が出てくると思います。
日本語表示の問題については、適切なフォントのインストールを行ってください。日本語のフォントのうちttf-sazanami (さざなみ明朝、さざなみゴシック)はManjaro 公式リポジトリに含まれています。また、ttf-migmix、ttf-koruriなどの視認性の良いフォントがAURに登録されています。これらのフォントのインストールは、それぞれ、以下のコマンドで行います。
sudo pacman -S ttf-sazanami
sudo yaourt -S ttf-migmix ttf-koruri
日本語入力については、manjaro wiki の
日本語についてというページに記載されていますが、ここでは、ibus-mozcをインストールする手順について説明します。
まず、リポジトリの同期を行います。
sudo pacman -Syy
ibus、ibus-qtをpacmanでインストールします。
sudo pacman -S ibus ibus-qt
mozcはAUR上のパッケージなので、yaourtでインストールします。
sudo yaourt -S mozc
ibus-setup コマンドでibus の設定を行います。
ibus-setup
「入力メソッド」のタブを選択すると、ウィンドウが上図のようになり、「入力メソッドの選択」をクリックし、「日本語」にマウスカーソルを合わせると、「mozc」が選択可能になります。「mozc」を選択後、「追加」をクリックします。
アプリケーション上で、ibusによる日本語入力を可能にするには、.xprofile及び.bashrcを編集して、ibusの設定に関して追記する必要があります。
~/.xprofile を開き、以下の行を追加 (~/.xprofileが存在しない場合、エディタで以下の行を書き、.xprofileの名前で保存する。)
export LANG="ja_JP.UTF-8"
export XMODIFIERS="@im=ibus"
export XMODIFIER="@im=ibus"
export GTK_IM_MODULE=ibus
export QT_IM_MODULE=ibus
export DefaultIMModule=ibus
ibus-daemon -drx
~/.bashrc を開き、以下の行を追加
export GTK_IM_MODULE=ibus
export XMODIFIERS=@im=ibus
export QT_IM_MODULE=ibus
一度ログアウトして再ログインし、デスクトップ環境を起動させると 日本語の入力ができるようになります。 (デフォルトでは Ctrl+space で入力の切り替え。私の環境では半角/全角キーでも切り替わります。)
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