私は、
Manjaro Linuxのユーザーです。Manjaro LinuxはArch Linuxの派生ディストリビューションになるのですが、Arch派生のディストリビューションは他にいろいろあります。今回は比較的日本でも使用されている
Antergosと比べてみたいと思います。
Antergosについては
lindwurmさんのブログに概要が紹介されていますし、Antergosのインストールおよび環境構築については
ぎっぽすねっとでまとめられています。ManjaroのユーザーもAntergosに対する意識があり、公式forumでは
Manjaro vs Antergosというスレッドが1年以上にわたり展開されています。
インストーラーの入手
Manjaroのインストーラーは公式のサイトからたどっていき、
sourceforgeからダウンロードできます。sourceforgeは日本の北陸先端科学技術大学などにミラーがあります。注意しなければいけないのは、デスクトップ環境ごとにインストーラーが作成されているのでダウンロードする前にデスクトップ環境を決めておく必要があります。Xfceエディションの場合、ファイルサイズは約1.2GBです。私の環境(イーアクセスのADSL)では、約2時間でダウンロードできます。
Antergosは公式のサイトからダウンロードできます。Antergosは後述しますが、使用するデスクトップ環境にかかわらず、1つのインストーラをダウンロードします。ファイルサイズは約880MBです。
インストール
現在(0.8.10)のManjaroのインストーラーはAntergosのものをフォークしたものです。したがってインストーラーの操作感は非常に似ています(Manjaroの翻訳についてはツッコまないでください)。
Manjaroの場合、特にトラブルがなければ
15分くらいでインストールが完了します。インストールの後に
以前紹介した手順でシステムを最新にする必要があります。ただ、この作業はバックグラウンドで行うことができます。
Antergosの場合、GUIインストーラーを起動したあとでデスクトップ環境を選択します。各種オプションを設定した後、インストールを開始すると
インストーラーはリポジトリを同期させ、ソフトウェアパッケージのダウンロードを始めます。つまり、Antergosの場合、インストールはネットに接続していることが必須になります。インストールのオプションによるのですが、私の環境でXfceを選択し、AURのサポートをオンにした条件では、インストールに約2時間くらいかかりました。以上のプロセスを経ているのでAntergosは
インストール完了の時点でソフトウェアが常に最新になっています。
パッケージ管理
まず、前提として
"ManjaroはArchではない"ということは強調しなければいけません。ManjaroはArch派生ですがリポジトリはManjaro独自のものを使用し、Archのリポジトリにはアクセスしません。AURは使用することができます。stableの場合、Archから2週間程度の更新のタイムラグが発あります。その代わり、きちんと定期的にpacman -Syuを行っていれば、アップデートで死ぬことはありません(たまに、pacman -Syuuとかトリッキーな操作が必要になる場合もありますが。)。pacman-mirrors とかmhwd-kernelとか、Manjaro独自のコマンドは大変使い勝手が良いです。
Antergosは、インストールが終われば、Archとして管理することになると思います。Archwikiのドキュメントやforumに寄せられる情報をそのまま活用することができます。
GUIなパッケージ管理についてはManjaroは(Xfceエディションの場合)pamacがインストールされています。一方、AntergosはpacmanXG4というソフトがインストールされています。
pacmanXG4はとても多機能で、パッケージ管理の他に、リポジトリの同期や最速なミラーサーバーの探索を行うことができます。pacmanXG4はAURパッケージなので、Manjaroでも使用することができます。
ちなみにAntergosはデフォルトのブラウザとしてChromiumがインストールされています。Manjaroはfirefox(Xfce)、midori(openbox)、rekonq(KDE)となっており、ちょっと思想の違いが見えて興味深いです。
まとめ
以上、今回主にインストール作業周りについて比較しましたが、似ているようでお互いに特徴があります。
AntergosはインストールしてしまえばArchなので、Archの作法に則って管理できますし、Manjaroはその独自仕様によってより手軽にArchっぽいものを楽しむことができるのかなと思います。
PR