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rago1975の部屋

このブログは管理人が個人的に興味がある事項を書き留めておくメモみたいなものです。当面は、Manjaro Linux関係の記事が中心になります。

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Manjaro Linuxの紹介(その4)

公式リポジトリとArch User Repository (AUR)

 Manjaro Linuxをインストールしたら、環境を構築するために、様々なソフトウェアをインストールする必要があると思います。Linuxの場合、大抵はディストリビューションが用意したリポジトリからソフトウェアのパッケージを入手します。ManjaroはArch Linuxをベースとしていますが、Arch Linuxの特長としてリポジトリの構成が極めてシンプルであることが挙げられます。Manjaroも同様です。某ディストリのように「あるソフトウェアをインストールするために新たにリポジトリを追加する」という場面は、通常無いと思います。
 Manjaroには公式のリポジトリがあり、また、Arch User Repository (AUR)を使用することができます。基本的なソフトウェアは公式リポジトリで取得します。その他のLinux向けに制作されたソフトウェアの大半はAURを通して入手することができます。例えば、JD (2ちゃんねるブラウザ)やmikutter (twitterクライアント)のような、おそらく日本でしか使われないソフトウェアもAURに登録されています。
 公式リポジトリからのソフトウェアの入手・更新はpacman コマンドを使用します。pacmanの使い方については、こちらを参考にしてください。AURにあるソフトウェアのインストール。更新はyaourtコマンドを使用します。yaourtの使用方法は、pacmanと似たような感じです。AURについての詳細な説明はこちら(Archwiki)、yaourtの説明はこちら(Archwiki)を参考にしてください。
 基本的に公式リポジトリのデータはバイナリですが、AURに登録されているソフトウェアの多くがソースベースで、yaourtのコマンド使用の際に、自動的にビルドされます。
 pamacというソフトウェア(OSインストール時に含まれている)を使用すれば、AURを含めた全てのソフトウェア・パッケージのインストール及び更新を行うことができます。pamacについてはいずれ書きたいと思います。
 私個人的には、yaourt-gui(下の画像)を重宝しています。これはxterm上で動くスクリプトなのですが、バージョン番号の確認などが簡単に行うことができます。yaourt-guiはAURにあるプログラムなのでyaourtコマンドで入手します。


日本語の設定

 Manjaroは欧州発のディストリビューションなので、インストールされた状態では日本語の入力ができません。また、適切なフォントがインストールされていないため、多くのソフトウェアで、メニューの文字が化ける等の問題が出てくると思います。
 日本語表示の問題については、適切なフォントのインストールを行ってください。日本語のフォントのうちttf-sazanami (さざなみ明朝、さざなみゴシック)はManjaro 公式リポジトリに含まれています。また、ttf-migmix、ttf-koruriなどの視認性の良いフォントがAURに登録されています。これらのフォントのインストールは、それぞれ、以下のコマンドで行います。
sudo pacman -S ttf-sazanami
sudo yaourt -S ttf-migmix ttf-koruri
 日本語入力については、manjaro wiki の日本語についてというページに記載されていますが、ここでは、ibus-mozcをインストールする手順について説明します。
 まず、リポジトリの同期を行います。
sudo pacman -Syy
 ibus、ibus-qtをpacmanでインストールします。
sudo pacman -S ibus ibus-qt
  mozcはAUR上のパッケージなので、yaourtでインストールします。
sudo yaourt -S mozc
 ibus-setup コマンドでibus の設定を行います。
ibus-setup



 「入力メソッド」のタブを選択すると、ウィンドウが上図のようになり、「入力メソッドの選択」をクリックし、「日本語」にマウスカーソルを合わせると、「mozc」が選択可能になります。「mozc」を選択後、「追加」をクリックします。
 アプリケーション上で、ibusによる日本語入力を可能にするには、.xprofile及び.bashrcを編集して、ibusの設定に関して追記する必要があります。
 ~/.xprofile を開き、以下の行を追加 (~/.xprofileが存在しない場合、エディタで以下の行を書き、.xprofileの名前で保存する。)
export LANG="ja_JP.UTF-8"
export XMODIFIERS="@im=ibus"
export XMODIFIER="@im=ibus"
export GTK_IM_MODULE=ibus
export QT_IM_MODULE=ibus
export DefaultIMModule=ibus
ibus-daemon -drx

~/.bashrc を開き、以下の行を追加

export GTK_IM_MODULE=ibus
export XMODIFIERS=@im=ibus
export QT_IM_MODULE=ibus
 一度ログアウトして再ログインし、デスクトップ環境を起動させると 日本語の入力ができるようになります。 (デフォルトでは Ctrl+space で入力の切り替え。私の環境では半角/全角キーでも切り替わります。)
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5月18日のアップデートについて(Manjaro Linux)

5月18日に、Manjaro Linuxのstableブランチでアップデートがありました。運営からのリリースはこちらになります。Manjaro Linuxの公式forumでのスレッドはこちらになります。
 forumのスレッドで色々報告がなされていますが、今回のアップデートはすんなりと行かないユーザーが多いです。私のデスクトップ環境はXfceですが、1ヶ所引っかかりました。
 アップデートの方法は、先日書いたとおり
sudo pacman -Syyu
 で、manjaro-sysytemを更新します。ここからsudo pacman -Syuを実行したところ、「X.orgとglamor-eglがconflictしているので、glamor-eglを削除しますか?」というメッセージが現れたので「y」を選択すると、「依存関係のため、glamor-eglを削除できません。」というエラーメッセージが出て、先に進めなくなりました。
 この問題が発生した場合、以下のコマンドを入力します。
sudo pacman -Syuu
 でここで-Syuuというオプションは、アップデートすべきパッケージの中にダウングレードの処理を行うものがある場合に使用します。私は、これでアップデートを行うことができました。
 その他、GNOME周りや、ノートPCのグラフィックドライバ関係で結構躓いているユーザーがいるみたいです。forumのスレッドでは、活発な情報交換が行われていますので参考にしてください。

Manjaro Linuxの紹介(その3)

Manjaro Linux のインストール

 Manjaro Linuxのインストールは、ここを参考にしていただければスムーズに行くのではないかと思います。0.8.9になって、何か新しい機能が追加されたり、日本語訳がおかしいところもありますが、だいたい似たような感じです。先日も書いたとおり、ISOファイルをDVDに焼いたものを使用すると失敗する可能性があります。USBメモリの使用をおすすめします。
 なお、このインストーラーはAntergosのCnchiをフォークしたものです。

 インストールがうまくいったら、Xfce版の場合、このようなデスクトップ画面が現れると思います。(仮想環境で動かしている関係で、画面が少し切れています。)。OSインストールの時点で、webブラウザ(Xfce版:Firefox、Openbox版:Midori)、メーラー(Thunderbird)、テキストエディタ(gedit)、Libreoffice、VLCメディアプレーヤー等が入っています。
 

Manjaro Linux のインストールの後にすること

 Manjaroをインストールしたら、まず、公式リポジトリに使用するミラーサーバーの最適な設定を行うことを推奨します。Manjaroのミラーサーバーは日本を含め世界中に存在しますが、最も速くて、情報が新しいサーバーを自動的に見つけることができます。
 画面の左下の緑のロゴをクリックするとメニューが表示されます。メニューから「ターミナルエミュレーター」を選択すると、xtermが立ち上がります。
 xterm上で以下のコマンドを入力します。sudo の使用に関して、ユーザーパスワードの入力が求められます。
 sudo pacman-mirrors -g
 このコマンドを入力すると、自動的にスクリプトが実行され、ミラーサーバーの設定の最適化が行われます。実行後のミラーサーバーの設定は /etc/pacman.d/mirrorlist というファイルに保存されます。
 
 Manjaro Linuxはローリング・リリースであり、日々、パッケージが更新され続けています。Manjaro 0,8,9がリリースされた時点(14年2月)からの更新をPCに反映される必要があります。以下のコマンドを入力します。
 sudo pacman -Syyu
 pacman コマンドの概要についてはここを参照してください。リポジトリとの同期が行われ、以下のメッセージが表示されます。
 以下のパッケージを最初にアップグレードする必要があります:
 manjaro-system
 ここで、「インストールを行いますか?」と訊かれるので「y」を選択して先に進みます。途中で何度が質問が出てきますが全て「y」でいいと思います。

 システムの更新が終了したら、今度は個々のソフトウェアの更新を行います。再度pacmanコマンドを使用します。
 sudo pacman -Syu
 先ほど、一度リポジトリの同期を行っているので、今度はコマンドのオプションの「y」は一つでいいです。コマンドを実行すると大量の更新リスト(Xfce版の場合、約250パッケージ、約500MB)が表示され、「インストールを行いますか?」と訊かれます。「y」を選択すると、更新が始まります。

 システム・ソフトウェアの更新については画面上に通知が現れます。上の画面において、右下に太陽みたいなアイコンがあります。これは、pamacというManjaro独自のソフトウェアのものなのですが、システム・ソフトウェアの更新がある場合、このアイコンが赤くなります。なお、pamacを使って、GUIでソフトウェアの検索・インストールを簡単に行うことができます。

Manjaro Linuxの紹介(その2)

Manjaro Linuxの入手 

 Manjaro Linuxは最新バージョン(0.8.9)がManjaroの公式サイト(manjaro.org)より入手することができます。(注: manjaro.orgにアクセスしようとしたら、Manjaro Wikiページに飛ばされる場合があります。その場合はブラウザのキャッシュをクリアして再度アクセスしてください。) manjaro.orgのサイトにアクセスしたら、"GET MANJARO"と書かれている箇所にマウスを重ねてクリックしてください。ページが替わり、XFCE、OpenBox、KDEの各エディションのisoファイルがダウンロードできると思います。また公式ではありませんがユーザー有志によって作成されていますコミュニティエディションのリンクが貼られています。コミュニティエディションは現時点(2014年5月7日)でFluxBox、MATE、Cinnamon、GNOME、Enlightenment、LXDE、netbookの各エディションが配布されています。
 0,8,9のXFCE 64-bitエディションのisoファイルは約1,1GBです。ダウンロードしたisoファイルをDVDまたはUSBメモリに書き込みます。これらの媒体からPCを起動させると、図のようなLiveイメージが立ち上がります。
 
 この画面で、F2キーを押すと、言語のリストが表示され、日本語を選択することができます。"Start Manjaro Linux"を選択すると、Liveイメージが起動し、デスクトップ画面に移ります。その画面で"Install Manjaro"のアイコンをダブルクリックすると、GUIなインストーラーが起動し、PCのハードディスクにインストールされます。
 (注:0.8.9 XFCE 64-bitエディションにおいて、isoファイルをDVDに焼いたものをLiveイメージとして起動させた場合に不具合が生じることが報告されています。具体的にはデスクトップ画面に移行する際に、設定されていないはずのログイン画面が出現して、パスワードの入力を求められて先に進められなくなるというものです。このような場合では起動ディスクとしてUSBメモリを使用することで問題を回避できます。Windowsの場合、USBへの書き込みソフトとして、Image Writer for Windows などが推奨されています。)
 


Manjaro wiki における日本語記事

多くのLinuxコミュニティではwikiを使って、ユーザー向けのドキュメントを提供しています。例えばArch Linuxでは、ArchWikiが作成されており、Archユーザーのみならず、数多くのLinuxユーザーにとって、Linuxのシステムの理解に役立っています。
 Manjaro LinuxのコミュニティもArchWikiに倣って Manjaro Wikiを開設して、Manjaroに関連するドキュメントを提供しています。
 これらのWikiの特長として、ユーザー登録さえすれば、誰でも記事の編集・投稿を行うことができます。一方で編集体制の責任が不明確であり、サイト全体のメンテがおろそかになり、古すぎる情報を与えることによって、読者に正確な情報を与えることができなくなる面もあります。
 Manjaro Wikiの記事の多くは英語であり、Manjaroについての日本語の情報は不足しています。ブログ管理人は、Wikiの翻訳も少し手がけているのですが、全ての情報を日本語に翻訳するのは手間が大変なので、ArchWikiを読めばわかる部分は放っておいて、Manjaro独自の部分を優先的に翻訳するようにしています。
 しかし、これらの日本語の記事については、(メインページ(日本語)の構成が散漫なのも原因としてありますが)なかなか検索に出てこないので、ここで少しまとめておきます。

概要
インストール
初心者向け
ハードウェア
ソフトウェアの管理
トラブルシューティング

プロフィール

HN:
rago1975 (Takefumi Nagata)
HP:
性別:
男性
自己紹介:
熊本在住の一般人です。Manjaro Linux関係の翻訳などを少々やっています。
twitter: https://twitter.com/rago1975

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